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ヒロタ「お父さんが、怪人だったんだね・・・・・」
ヒロタの父「・・・・・・」
彼は何も答えない。
その沈黙は、ある残酷な答えを示していた。
ヒロタ「なんで、街の人を、皆を殺したんだよ?」
ヒロタの父「お、お前のためだ!」
ヒロタの父は、怒鳴り声とも似た声を出す。
ヒロタの父「お前が生きているのは、俺のおかげなんだぞ!お前のために、全部やってきたことだ!俺も、お前も共犯なんだぞ!」
ヒロタ「・・・・・・・」
ロースケ「・・う、嘘だ。」
ヒロタの父「なんだと?」
ロースケ「そ、そんなの、嘘だ。ヒロタのためなんかじゃない。あなたは、自分のためにしたんだ。ヒロタは、関係ない。」
ヒロタ「ロースケ、、、」
ヒロタの父「お、おまえに、何がわかる!」
ヒロタの父は、みるみるうちに禍々しい怪人の姿に変身する。
ヒロタ「ロースケ!使え!あれを!」
ロースケ「・・・本当に、いいの?」
ヒロタは、ゆっくりと、頷く。
ロースケは、ヒーローホイッスルを力強く吹く。
すると、どこからともなく、ヒーローが姿を現す。
そこからは、あっという間だった。
ヒーローの突然の登場にあっけにとられたヒロタの父、いや、怪人は、ヒーローの猛攻により、倒された。
ヒロタとロースケは、それを少し離れたところから、黙って見ていた。
―――――――――――――そして、街に平和は訪れた。
学校は再開したが、ヒロタは、日を追うごとに体調が悪くなり、やがて学校へ来なくなった。
「ヒロタ君は転校しました」
ヒロタが来なくなってしばらくたち、そう一言、タイク先生に言われた。
そして、先生から、一通の手紙をもらった。
差出人のところには、「ヒロタ」と書かれている。
中には、短い文で、こう書かれていた。
「ロースケ、一緒に怪人の正体を暴いてくれてありがとうな。俺のことは気にするな。「こうなる」のが、少し遅れただけだから。・・・・・もし、もしさ、来世っていうのが、あるとしたら、また、一緒に、ヒーローのこと、いっぱい話そうぜ!じゃあな、ロースケ!元気でな!」
ロースケは、少し笑いながら、泣きながら、つぶやく。
「相変わらず汚い字・・・・、グスッ」
手紙は、少し濡れた跡があった。
その濡れた理由と同じ「モノ」がさらに文字を滲ませ、インクがそっと広がる。
彼らの悲しみが淡く、共鳴したように。
エンデイング1: よくある質問
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